オリーブの話
ギリシャの詩人ホメロスはオリーブオイルを「液体の黄金」と呼んだ。
また「女神アテネの木」と崇められ、樹を痛めたものは謝罪を科すとの法律まで生み出しています。オリーブはシリア、メソポタミア、イスラエルに自生し、紀元前4000年頃本格的な栽培が始まったとされており、紀元前3000年頃クレタ島で栽培が始まり、その後ギリシャ人により、北アフリカ、シチリア、イタリア南部、プロヴァンス、マルセイユへと伝わってゆきました。
強力な国力を背景にローマ人は地中海一帯にオリーブ栽培を推し進め、16世紀の大航海時代に、オリーブは「女神アテネの木」として、スペイン、ポルトガル、中央アフリカ、中央アメリカ、カリフォルニアへと移植されたのです。
オリーブの生育条件は南北両半球の緯度25~45°の間で、日当たりがよく乾燥している事が必要とされる。
国際オリーブオイル協会の算定によれば、世界のオリーブ栽培面積は897万ヘクタールで栽培本数約8億2千本とされ、その98%が地中海沿岸で栽培されています。
しかもイタリア、スペイン、ギリシャで75%を占めています。
収穫は9月から2月に順次行われ、9月~10月は食用の青い実で、その後熟して黒紫になれば食用と、オイル用となる。トスカーナではオイル用の収穫は11月~1月に行われる。
品種は500種類と言われ、各地で様々な品種が栽培されています。
収穫は1.手摘み 2.地表採取 3.ミキシング 4.ビーティング 5.機械収穫とあるがエキスト・ラヴァージン・オイル用には、当然首に吊るした袋に手摘みで収穫する手間のかかる方法が最適で、それ以外は食用の収穫方法となる。
採取されたオリーブは洗浄され、直ちに圧搾にかけられます。
圧搾は白臼を使用するが、粉を挽く時のように平面をすり合わせて圧搾するのではなく、下は平面で上は垂直の臼が円を描くように回りながら圧搾してゆく。
そのペーストを円形のマットに均一に広げ、100枚ほどを重ね高い圧力で搾る。
この時決して温度の変化をさせないため、採取したエキスには油脂分のほかに多くのミネラル成分が含まれる。これを遠心分離機にかけ、オリーブオイルを抽出する。
この最初のオイルを、エキストラ・ヴァージン・オイルと称する。
1825年かの有名な食通ブリア・サバランはその著書「味覚の生理学」でこう述べています。
清流で1尾の鱒が手に入った時は、忘れずに最高のオリーブ油で揚げなさい。
簡単な料理ですが、これにレモンをかければ、枢機卿に出しても恥ずかしく
ない逸品になります。
この簡潔な文章ほど、オリーブ油の価値を表現している物はないでしょう。