思い出の出来事2

2009年04月04日

アメリカから帰国し、以来18年間紅茶党として一切コーヒーから遠ざかっていた私がイタリア研修である。あれはピサ空港であったと思う、プレゼンテーションでデザイナーとフィレンツェに向かう空港でエスプレッソを飲むことになった。

少々気が引けたが砂糖を入れて勇気を出して飲んでみた。

結果は胃に痛みは全く感じず、まったりとしたカカオのような風味が、まろやかに喉から湧き上がり、コーヒーとは異なるものだと実感した。また日本で飲んだ事のあるエスプレッソとも全く異質の物であった。それ以来私はエスプレッソだけは受け入れるようになり、やがてコーヒーもまた飲めるようになっていった。

いったい、コーヒーとエスップレッソとどのような違いがあるのだろうか?

皆様もご存知のようにコーヒーの入れ方には様々な方法が存在するが、旨みと風味を保つには当然挽きたてを入れるに限る。サイホンで湯に混ぜるか、ドリップで湯の圧力で落とすか、それぞれに一定の時間をかけて抽出するが、この抽出の時間に出来上がるコーヒー及びエスプレッソに含まれる成分に違いが出てくる。

コーヒーの成分はたんぱく質、油分、粗繊維、カフェイン、タンニン、有機酸、ミネラルです。

私がエスプレッソを受け入れたのはおそらく、カフェインと有機酸の影響ではないかと分析する。

エスプレッソはきわめて合理的でコーヒーを魔法のようにクリーミーに変える魔術師のようだと思う。イタリアの豆はアフリカ産が多く南アメリカ(ブラジル、コロンビア)に比べると小粒である。一般的に言われるエスプレッソの焙煎は濃いと言われますが、私が持ち帰り分析したところイタリアのエスプレッソの焙煎濃度は日本の一般的なコーヒーの焙煎とほとんど変わりませんでした。そこで日本にある豆で同等の焙煎でエスプレッソを試したら、非常に酸味の強い飲める品質ではありませんでした。結論を申し上げますと。日本で美味しいエスプレッソエを飲もうとしたら、イタリアから豆を取り寄せなければ不可能と言うことです。

エスプレッソは、備え付けのミールで挽く、そして9気圧の圧縮蒸気で一気に旨み成分だけを抽出する。一瞬ですから雑味成分が溶け込まない。残念ながらカフェインは時間が少ない分他のコーヒーに比べれば少なくなるが、素晴らしい副産物がついてくる。あのクリーミーな泡である。

豆には主として二酸化炭素の気体成分が含まれていますが、圧力をかければそれだけ多くの二酸化炭素が液体に溶け込み、それがクレマと呼ばれる魔法の泡を作り出すのです。

また含有する有機酸も抽出時間が短い為、酸化をしない。カフェインと酸化この2つが、アメリカでヒーターの上に置かれた煮詰まり、極度に酸化したコーヒーに拒否反応を示した私の体から

再びコーヒーを受け入れるよう導いてくれたのだと思う。

もし皆さん、エスプレッソは濃くて苦いコーヒーと思っていらっしゃる方がいましたら、一度エノテーカ ピンキオーリにお越しください。絶対にエスプレッソの概念を変えて見せましょう。

クリーミーでまろやかに香り、

濃縮感はカカオの深みを与え、

喉越しはきわめて柔らかく、

琥珀の液体は貴品に満ちている。

一口が与える感動は、

貴方の夢の扉を開けてくれる。

それが、エスプレッソです。