エノテーカ ピンキオーリ誕生のエピソード-20-
2008年12月20日
さていよいよ内装の確認に入る。まずポイントはワインセラーがルネサンス期教会の回路をイメージされていることから、全体に15~16世紀でまとめる事で合意した。となるとアンティークの家具や調度品をあしらい本物の重厚さを出すのがベストである。床はイタリア風寄木とテラコッタ、要所は大理石、壁はイタリアらしさを出す為スタッコ塗装となった。問題は日本にスタッコの技術人がいないため本店の内装屋に日本の左官屋を送り、技術を会得することにした。ちょうど8月の休暇の間に壁の補修があるため研修が決定された。
いよいよ明日はフィレンツェ中のアンティークショップを回り、イメージを固める作業に入る。私自身はとても楽しみで、わくわくとその話を聞き入っていた。察するにかなりの資金をかけて内装されてゆきそうである。
持ち込まれた、テーブルクロス、食器、カトラリーは会議中テーブルに置かれており、皆は内装を協議しながら、家具の色やカーテンの色調、特にイスの色や形状にお皿やクロスの色との同調性を意識していた。
皿はジノリのアンコーナシリーズでボーンチャイナのきわめて薄手の皿である。白が基調でEPロゴマークがあるだけのシンプルなものであった。当時のフランスや日本では割と華やかな色合いのリモージュのベルナルドが多く前菜、魚、肉、デザートそれぞれに違う柄の皿を使用するのが主流の時に、シンプルな皿は私には強いインパクトがあった。エノテーカと名付けた事からブドウのモチーフはいたるところに使用され、ワインクーラーやシャーベットスタンドはオリジナルのデザインでブドウが品良くデザインされている。シルバーはフィレンツェのブロッジ社、テーブルクロス、ナプキンはリボルタ・カルミニャーニ社のリネンのサーモンピンクであった。グラスは全てリーデル社の物であくまでもワインを楽しむ為のものを厳選している。当時で種類は20種類に及んだ(現在は30種類に増えている)。
初めて目にした食器やカトラリーなどは非常にシンプルで品のよい物であった。
さていよいよ今夜は初めてエノテーカ ピンキオーリのディナーを食べる事になっていが、まだ私自身はイタリア料理を把握しきれていない為か、まだイメージできないでいる。
4時にアニー夫人とは別れ街をぶらぶらすることにした。急にアンティークショップが気になり目に付くようになるとなるほど、ずいぶんあちこちに店が連なっているものです。我々は街の中心リパブリック広場のバールに入り、スプマンテを注文した。「since 1720」と言う文字が目に入る、今年が1991年だからざっと271年間営業していることになる、こんな店が271年前に存在したことを思うと、人々の生活習慣の深さを歴史の足跡に重ねなければ理解できないであろうと思う。すばらしい街である。


